人工知能(AI)は半導体チップのさらなる高速化を求めるが、それを実現し続けるためのコストは上昇の一途をたどる。そこで、半導体業界で最新の焦点となっているのが先端パッケージングだ。日本の半導体製造装置メーカー、ディスコなど、多くの企業がその恩恵に浴している。
半導体封止材でチップを保護し、電源やその他の部品と接続する「パッケージング」は、かつて重要度では二の次とされ、チップそのものを高速化・小型化することに多くの労力が割かれてきた。半導体製造工程の最終段階であるパッケージングでは、コストが重大な関心事となり、その大半は組み立てと検査を専門に行う企業に委託される。
従って、特にうまみの大きいビジネスではない。例えば、半導体パッケージング・検査の世界最大手、台湾の日月光投資控股(ASE)の場合、昨年の売上総利益率は16%で、半導体受託製造の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の54%に遠く及ばない。