些細なことでイライラしたり、空気が読めずにトンデモ発言をしたり、武勇伝を何度も繰り返したり。そうした言動で周囲に迷惑を掛ける中高年層は、たとえ過去に仕事で成功していても、若者たちから「老害」だと認定されてしまいます。ですが、もちろん本人たちは悪気があって老害っぽい言動をしているわけではありません。では、なぜ「やらかす」のでしょうか。医学博士・平松類氏の著書『「老害の人」にならないコツ』(アスコム)から抜粋して、その答えをお届けします。今回のテーマは「老害扱いされやすい職業」について。
現役時代の職種から導きだされる「老害」の意外な共通点
「とても個人的な経験上の話」という前置きをしつつ、取り上げておきたいのは、現役時代に「先生」と呼ばれる職業に就いていた人は、若い世代からも同世代からも、老害扱いされやすい気がします。
教師、医師、弁護士(をはじめとする士業)、政治家などがそうです。
もちろん、全員が全員ではありません。もろに該当する読者は、気を悪くしないでください。全体的な話として、日々多くの高齢者に接している身として、そういう傾向があると感じるのです。
なぜ「先生」と呼ばれていた人(おそらく今も呼ばれている人)は、老害になりやすいのか。私が考える理由は、優秀な人が多いからです。
小さいころから勉強ができて、ものごとを論理的に説明でき、豊富な知識を持っていて、周りから敬(うやま)われてきた人が大半を占めるでしょう。そしてその経験が、自信と有能感を生みます。
それは決して悪いことではありませんが、万能ではありません。どなたにも、得意分野と不得意分野があります。