高齢者がコンビニ店員にキレる本当の理由写真はイメージです Photo:PIXTA

些細なことでイライラしたり、空気が読めずにトンデモ発言をしたり、武勇伝を何度も繰り返したり。そうした言動で周囲に迷惑を掛ける中高年層は、たとえ過去に仕事で成功していても、若者たちから「老害」だと認定されてしまいます。ですが、もちろん本人たちは悪気があって老害っぽい言動をしているわけではありません。では、なぜ「やらかす」のでしょうか。医学博士・平松類氏の著書『「老害の人」にならないコツ』(アスコム)から抜粋して、その答えをお届けします。今回のテーマは「高齢者が店員に激怒する理由」について。

正義感の大暴走を止められない「老害」

 私がよく利用するコンビニには、レジが左右に2つ並んで設置されています。混雑時には、レジの間にお客さんが一列に並び、最前列の人が空いたほうのレジに進んで会計を済ませるシステムです。

 その日は混在する時間帯で、私が会計待ちの行列に並んだときはけっこうな長さになっていました。時間帯が時間帯なのでやむを得ないと思っていましたが、それにしても列がなかなか進みません。

 前のほうに目をやると、右側のレジで高齢女性が店員さんに向かって何やらまくしたてています。「あなたが悪い」「あんな乱暴な渡し方はない」「声が小さい」「謝り方がなっていない」といった言葉が聞こえてきました。
 
 どうやら、お釣りを受け取る際に小銭を床にバラバラと落としてしまったようなのです。店員さんは、アルバイト学生とおぼしき若い女性。何度も謝っていますが、この高齢女性の勢いは止まりません。大声でずっと同じことをくり返しています。

 当然、会計待ちの行列は伸びるばかり。列に並んでいるお客さんたちのイライラも、どんどん募っていきます。

 私はこの高齢女性の行動を見て、「仕方がないのかな」と思いつつ、第三者がこの騒動に加わって、さらにやっかいな状況にならないかと心配になりました。