非公式の「提携校進学制度」を利用し
「附属」に進学した悠仁親王
東京都心の文京区にある国立の高校だ。明治以来の伝統を誇る。大企業のサラリーマン、学校の教師、公務員などの息子・娘が多く、自由闊達(かったつ)な校風を貫いてきた。略称は「附属」だ。
将来、天皇の座に就くことが確実視されている悠仁親王(ひさひとしんのう)。筑波大学附属高校の3年生なので、来春の大学進学が話題になっている。
悠仁親王は2006年9月6日生まれ。秋篠宮文仁親王と同妃紀子夫妻の長男だ。明仁(第125代天皇・現上皇)の孫、徳仁(第126代天皇・今上天皇)のおいに当たる。皇室で40年ぶりに誕生した男子で、秋篠宮親王に次ぐ皇位継承2番の立場にある。
お茶の水女子大附属幼稚園―同小学校―同中学校というコースを歩んできた。
皇族は戦後、小学校から学習院に通うことが慣行になってきた。お茶の水女子大附属高校は「女子のみ」なので、悠仁親王の高校進学先は当然のごとく学習院高等科と予想されていた。中学まで学習院ではなかったので、高校からは学習院に行くことが自然だろう、という見方だ。帝王教育を受けるには学習院がうってつけ、という理由が、もちろんある。
しかし、悠仁親王が22年4月に進学したのは、筑波大附属高校だった。筑波大(茨城県つくば市)とお茶の水女子大との間で結ばれているといわれる非公式の「提携校進学制度」を利用して「附属」に進学したという。これにより、筑波大附属高校に対する注目度は一気に高まった。
悠仁親王は、「附属」ではバドミントン部に属している。生き物への関心が高く、幼いころから住まいのある赤坂御用邸でトンボの生育環境調査を続けている。23年6月には「附属」の行事の一環で筑波大を訪れ、生物系の研究室を見学した。24年4月には玉川大の昆虫科学実験室などを視察した。
来春の大学進学について、あれこれ取り沙汰されている。「大学こそ学習院を選び、帝王教育を受けるべきだ」「筑波大が特別優待入学制度を設けて、悠仁親王を迎え入れる」「(姉2人が卒業した)国際基督教大や、(昆虫研究をしやすい)玉川大に進学するのではないか」といった予想がしきりだ。
しかし最近では、「英国のオックスフォード大に留学するのではないか」との説が強くなっている。天皇も秋篠宮文仁親王も学習院大卒業後ではあるものの、天皇はオックスフォード大、秋篠宮文仁親王はオックスフォード大の大学院に留学した経験を持っているからだ。