自分を一番「快適で幸せ」にリセットするための時間
フランス語には「etre bien dans sa peau(エートル・ビアン・ダン・サ・ポ)」という表現があります。直訳すれば、「肌が良い状態にある」という意味ですが、「気分が良くて快適」「幸せを感じている」もしくは「自分らしくいられる」という意味で使われます。
フランス人のスキンケアとはつまり、ただ単に「肌の手入れをする時間」ではないのです。マリーの「ゴールデンタイム」とは、自分を一番「快適で幸せ」にリセットするための時間なのです。日常生活で背負っているモノをこの時ばかりは投げ出し、いつも被っている仮面を剥がし、自分自身と向き合うかけがえのない時間なのです。
大事なのは、他の誰でもなく、自分を優先すること。その時間だけは誰にも邪魔させないこと
忙しい毎日に振り回されて自分をないがしろにしている人。自分を差し置いて配偶者や家族に尽くしてしまう人。自分をいたわる必要性なんて考えたこともない人。
自分だけの時間を作ってみてください。誰にも邪魔されず、すっぴんの自分と向き合う機会を作ってみてください。
最初は数分だけでも大丈夫です。バタバタ忙しい朝は避けて、パリジェンヌのように夜、寝る前に時間を作ってみるのもよいかもしれません。大事なのは、他の誰でもなく、自分を優先すること。その時間だけは誰にも邪魔させないこと。そしてスマホなど決していじらずに、しっかり自分と向き合うこと。
これを毎日続けてみてください。心身の状態は必ず肌に出ますので、それを目で、そして手で感じ取ってみましょう。自分では元気なつもりでも、目の下にクマができていたり、肌にハリがなかったり……。肌はとても正直です。
「普段は見えない自分」が見えてきます
素顔の自分と向き合っていると、日常生活の荒波にもまれている時は考えもしないこと、見過ごしてしまうこと、無意識に目をつむっていることが鮮やかに脳裏に浮かんできます。するとびっくりするくらい、「普段は見えない自分」が見えてきます。少し無理をしている自分。案外ストレスになっている自分。やっぱり腑に落ちていない自分……。
そんな自分をいたわってあげてください。慰さめてあげてください。褒めてあげてください。
ゴールデンタイムでツヤツヤになるのは、肌ばかりではありません。
※本稿は『パリジェンヌはすっぴんがお好き』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。