スタンフォード大経営大学院教授チップ・ヒースの新刊数字の翻訳から、本が読みたくなる一節を紹介します。(構成/ダイヤモンド社・今野良介)

どんだけSNSしてるのか

たとえば、

平均的なアメリカ人はSNSを1日2時間ほど利用しています。

そう言われても、ピンとこない。

「まあ、そんなもんだろう」と思われるかもしれない。

では、こう言われたら、どうだろう?

もし金曜日だけ、Facebookに費やす2時間を別のことに使ったらどうなるでしょう? 
5か月で『戦争と平和』を読破できます。
ただ金曜にFacebookを見ないだけで、それができるのです。

そう難しいことではなさそうだ。

SNSを完全にやめるのではなく、1週間のうちの1日だけやめればいい。

「Facebookの時間を読書に充てる」という小さな変化も、積もり積もれば目に見えるほどの大きな成果になる。

SNSを「週2時間だけ」やめればできること本記事編集担当、ある日のiPhone「スクリーンタイム」。Xしすぎ、写真見すぎ、本を読め Photo by Ryosuke Konno

金曜の2時間が5か月間積み重なったら、どれだけの本を読めるかを挙げてみよう。

(1)『戦争と平和』を読破できる(ウォッカの一気飲み勝負に勝たなくても、ロシアの友人をあっと言わせられる)
(2)『指輪物語』の三部作を読破できる(オタクという評判を確立し、世界創造の秘訣を学び、エルフ語を少し話せるようになる)
(3)ブリタニカ百科事典の「史上傑作本」リストの半分を読破できる(『グレート・ギャツビー』『ジェーン・エア』『カラー・パープル』『崩れゆく絆』など)

こうした読書経験は、友人との会話のネタになる。中国語を身につけたり、物理学をマスターしたり、機械工になったりといった人生最大の成果とまではいかなくても、大人としての学習の重要な通過点になる。

『数字の翻訳』では、このような「ただの数字」を「伝わりやすくて感情を動かす数字」に言い換える法を、100以上の具体例で伝えていく。

※本記事は書籍『数字の翻訳』の一部を元に編集しています。