中国が電気自動車(EV)の巨大勢力に浮上する中、米国と欧州の対処の仕方は異なる道をたどっている。米国は、中国製EVが発売される前に国境を封鎖する構えだ。バイデン政権は5月、輸入台数はわずかであるにもかかわらず、中国製EVに対する関税率を102.5%に引き上げると発表した。国内自動車産業が米国と緊密に結びつくカナダも、新たな関税を検討中だとブルームバーグが21日に報じた。非常に高い関税を課しても中国のEVの輸入を食い止められない場合――例えば、隣国メキシコで製造され、米国・カナダとの自由貿易協定の恩恵を受ける場合――に備えて、米政府は2月に安全保障上のリスクを評価する調査にも乗り出した。これはなお一層強力な防御手段となり得る。ジョー・バイデン大統領が11月の選挙で敗北すれば、第2次トランプ政権はさらにタカ派的姿勢をとる可能性が高い。
中国EVに対抗、欧米の関税は似て非なるもの
米国と欧州の対中関税引き上げは異なる結果を生み出す
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