米国民は中東での戦争が終息に向かっていると考えているが、イスラエル国民は戦争が始まったばかりだとの懸念を抱いている。イランの代理勢力であるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは、イスラエルへの攻撃を激化させており、行動を抑制すべき明白な理由が米国から示されなければ、これまでより大規模な戦争を引き起こす恐れがある。イスラエルの軍事攻勢の抑制に気を取られ過ぎている米国は、それに気付いていない。
米軍制服組トップのチャールズ・ブラウン統合参謀本部議長(空軍大将)が23日、ボツワナに向かう途中で記者団に語った内容は、米国が誤ったメッセージを発した最新事例となった。米AP通信によると、ブラウン氏は「イランが4月に大量のミサイルやドローンを使ってイスラエルを攻撃した際に米国はイスラエルの防衛を助けたが、ヒズボラがより大規模な戦争をイスラエルに仕掛けた場合、米国は先の対応ほどうまくイスラエルの自衛を支援できない可能性が高い」と述べた。