Photo by Wakako Otsubo
「日本を含めて世界20万軒のホテルすべてに対して、エクスペディアが最低価格を保証する」(三島健・エアアジアエクスペディア・ジャパン代表)
世界最大手の旅行予約サイト「エクスペディア」が、4月8日から日本国内の宿泊に対しても「最低価格保証制度」を打ち出した。エクスペディア・ジャパン(以下、エクスペディア)のサイトで予約した宿泊料金が他社の予約サイトよりも高ければ、差額を返金するとともに、海外のホテルで使える5000円の割引クーポンを提供するという。
最低価格保証制度は、これまでは海外ホテルの予約にのみ導入されていた。
反面、日本国内の宿泊の予約では低迷している。楽天トラベル、じゃらん、一休といった先行する宿泊予約サイトの牙城を崩せず、国内の取扱いホテル数は2000軒程度、最大手の楽天トラベル(国内で約2万7000軒)の十分の一以下ともいわれている。
ホテル関係者の間では「エクスペディアの手数料は他の予約サイトより高い」といわれているうえ、宿泊予約サイトのライバルたちがホテルのマーケティング担当者に対して「取り扱うサイトが増えると、宿泊担当者の手間がバカにならない」などとささやいているのが影響している。
それでも三島代表は「エクスペディア経由の国内宿泊者数は年率200%で伸びている。今年もその水準を目指し、最低価格保証でさらに10%などと上乗せしていきたい」と強気だ。
同社は2月にJTBと提携し、同社が取り扱う約3万都市・約15万軒の海外ホテルを提供する代わりに、JTBの扱う約7000軒の国内旅館を販売できるようになった。実際に利用できるのは秋以降になる見通しで、エクスペディア内に専用サイトを設け、最低価格保証の対象にはしないと、JTBへの“配慮”も見せている。