高配当株で「自分年金」を蓄えるため、欠かせない基礎の基礎を学びましょう!
元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円! 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい!」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
「配当利回り」をチェック!
2024年5月時点の平均配当利回り(株式平均利回り)は、プライム市場で2.03%、スタンダード市場で2.14%、グロース市場で0.39%(いずれも加重平均)となっています。
株主還元の熱が高まっている現在でも、配当金を出さない企業もあります。配当金を出さないか低水準にするかわりに、将来的な業績の成長を目指して利益を先行投資(設備や人材に投資)に回す。
そうやって配当金ではなく、株価の成長による株主還元を目指す新興企業に多くみられるやり方です。
「高配当株」の定義とは?
これも成長(グロース)株投資の観点からすればけっして悪くはありませんが、私自身は配当を出さない株にはあまり魅力を感じません。
なお「高配当株」の定義はいろいろですが、拙著『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)では、「配当利回り3.5%以上」を高配当株と呼んでいます。
ちょっと前までは「配当利回り4%以上」を高配当株の基準にしていましたが、このところの株高によって、全体的に配当利回りが下がっていますから、少しだけ基準を下げた次第です。
「配当性向」とは?
配当利回りのほかにも「配当性向」という指標もあります。これは、企業の「当期純利益」に対して「年間配当金」がどのくらいの割合で支払われているかを示す指標です。
計算式としては、「1株当たりの年間配当金÷1株当たり当期純利益×100」となります。
1株当たりの年間配当額50円とすると、1株当たり当期純利益100円で配当性向50%、当期純利益200円で配当性向25%です。
適正な配当性向とは?
日本企業の配当性向は、おおむね30%前後で推移しています。配当性向が低過ぎると配当金が低いということですが、配当性向が高ければよいというわけでもありません。
なぜなら、配当性向を高めるために企業が無理して配当金を払っている場合には、経営そのものに支障をきたすリスクがあるからです。
配当性向は30~50%くらいが適正だと思います。実感としては、当期純利益を「内部(社内)留保」「先行投資」「配当」に、それぞれ3分の1ずつ分配しているケースが多いのではないかと思います。
※本稿は、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。