北越コーポレーション株式会社の定時株主総会会場の様子Photo:JIJI

取締役交代もあり得た株主総会として今年注目を集めたのが、北越コーポレーションとダイドーリミテッドだ。結果はいずれも会社側に軍配が上がったが、本当の勝者は他にいる。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

大王海運とオアシスに挟撃された
北越コーポレーション「完勝」の理由

「うちの考え方が大多数の株主に理解された。あからさまな経営乗っ取りは許されないということだ」。製紙大手、北越コーポレーションの幹部は6月27日の株主総会後、そう胸をなで下ろした。

 北越は今回の総会で、二大株主の“挟撃”に遭い、窮地に立たされていた。

 二大株主とは、社外取締役5人の選任を求めた大王海運、そして岸本晢夫社長ら取締役の解任や別の社外取締役5人の選任を求めた香港の物言う株主、オアシス・マネジメントだ。両者が保有する北越株は議決権ベースで40%を超え、しかも互いの提案に賛成し合う方針を表明していた。

 だが結果は北越の会社提案が全て可決され、株主提案は全て否決されるというものだった(次ページの表参照)。北越によれば、岸本社長らの解任議案に対し、大王海運とオアシスを除く株主の99%以上が反対したという。これに北越は「完勝」(前出の幹部)と勝利宣言し、一方の大王海運は「結果は残念に思うが、落胆はしていない」と敗戦の弁を述べた。