日本銀行Photo:Anadolu/gettyimages

6月会合での日銀の決定
買入れ減額方針は現状追認

 6月13~14日の金融政策決定会合では、長期国債買入れを減額していく方針が決まり、今月30~31日の次回会合では、今後1~2年程度の減額が具体的に決まることになった。

 この決定を受けて、日本銀行がいよいよ資産買入れ額の削減にかじを切ったとの見方が広がったが、この認識は的確ではない。日銀による長期国債の買入れ額は、この1年半ほど減少が続いている。このタイミングでの減額方針の決定は、現状の追認に過ぎない。

 日銀による長期国債の買入れ額は、誘導目標であった10年国債金利の上限を守るために、買入れの増加や連続指値オペの導入により2022年中ごろから急増し、23年初には月間平均16兆円程度まで増加していた。

 10年国債金利が安定的に推移したこともあり、そこをピークに買入れ額は急速に減少した。4月に植田和男日銀総裁が就任して以降、買入れ額は10兆円を下回って減少基調を続け、今は6兆円程度まで下がってきた。