日銀「追加利上げ」9月が有力、正常化シナリオ“26年に政策金利1%”想定は不透明Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

日銀、国債買い入れの減額を決定
次の焦点は「追加利上げ」がいつか

 日本銀行は、6月14日のMPM(金融政策決定会合)で、政策金利(コールレート・オーバーナイト物0~0.1%)を据え置く一方で、それまで月6兆円程度買い入れていた国債買い入れの減額を決めた。

 7月のMPMで当面、1~2年の具体的な減額計画を決め、減額を7月から実施するという。

 3月にマイナス金利政策とYCC(イールドカーブコントロール)を終了したのに続き、金融政策の正常化に向けたステップを進めたといえるが、しかし、なぜ追加利上げではなく、国債買い入れの減額だったのか。

 市場には、最近の極端な円安を受け、日銀が利上げを前倒しするのではないかとの見方も多かった。そうした目線で見れば、日銀は円安対応として利上げではなく、国債買い入れの減額を選択したと映る。

 円安対応との見方は、まったく間違っているとはいえないだろう。

 とはいえ、6月MPMが利上げではなく国債買い入れの減額に終わったことで、市場の関心はいつ日銀が「追加利上げ」に踏み切るかに移った。

 筆者の見立ては早くて9月だ。植田日銀は、2%物価目標実現のレトリックの下で、今年後半から2026年まで約2年をかけて政策金利を1.0%まで引き上げていく正常化シナリオを想定していると考えられる。

 だが、この点はかなりあやしいと言わざるを得ない。