101歳、現役の化粧品販売員として活躍している堀野智子(トモコ)さん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)が「堀野氏の技法は、ヒュミント(人間による情報収集活動)にも応用できる」と絶賛(日刊ゲンダイ・週末オススメ本ミシュラン)する世界一の先輩による“人生訓”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる!

101歳、世界最高齢の現役営業が教える! 甘やかされて育った夫、大学時代の「驚きの仕送り額」Photo: Adobe Stock

年寄りっ子は三文安い?

今の人はこんな言葉を知っているかどうかわかりませんが、昔は「年寄りっ子は三文(さんもん)安い」と言われたものです。「年寄り」というのはおじいさん・おばあさんのこと、「三文」はお金のことです。

母親が子どもを育てるとき、どんなにかわいがったとしても、どこかに「この子を一人前にしなければ」という意識が働き、ただ甘やかすだけということはまずないでしょう。

ところがおじいさん・おばあさんは、その子の先を見るよりも、「今のかわいさ」に溺れてしまうのですね。だから「おじいさん・おばあさんに育てられた子は、頼りない(大人になりきれない・使い物にならない)」というわけです。

人柄はいいけれど……

2人のおばあさんに舐めるようにかわいがられて育てられたうちの主人は、まさにそのタイプでした。

主人の名誉のために申し添えておきますが、人はいいんですよ。曲がったことが大嫌いで、ズルいことは一切しませんでした。人間としては上等な部類だったと思います。

でも、金銭感覚に限っては、やはり苦労をしたことのない人のそれだったんです。

初任給の5倍もの
大学生の仕送り

主人は高校まで岩手県で過ごし、大学は早稲田大学法学部に通いました。大卒の初任給が20円かそこらだった時代に、主人のおばあさんからの仕送り額は100円近かったというのです。

朝からコーヒーを飲みに喫茶店に行ったり、好きなだけ本を買ったりして、いくらでも自由にお金を使えたと聞きました。ところが終戦直前に召集され、外地まで行きつかないうちに終戦を迎え、岩手に戻ることになります。

大学卒業と同時に召集され、その年に終戦ですから、就職も何もあったものではありません。本人としては、また東京に戻って司法試験の勉強をし、将来は弁護士に、という希望があったようですが、東京は焼け野原です。かといって、戻った岩手に就職のあてがあるわけでもありませんでした。

※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。