在留資格別に見ると、この1年で最も人数が増えたのは特定技能で8万5629人となり、英語教師や留学生などを上回る。特定技能とは、人手不足の分野(介護・宿泊業、建設、農業など)で一定の技能がある外国人労働者を受け入れるものだ。2019年度に始まり、5年間で34.5万人を受け入れ上限にしている。コロナ期間で受け入れが遅れたが、最近急ピッチで増えて、受け入れ上限まで急上昇している。
2024年度から自動車運送業や鉄道など4業種が追加になり、5年間の受け入れ枠は以前の約2.4倍となる82万人とすることを政府が閣議決定しており、今後も特定技能者は年間16.4万人ペース(直近1年の約2倍)での急増が見込まれる。
そうなると、前述した2022-23年の増加数26万4954人に特定技能の年間純増数9万5000人(82万-34.5万÷5)を加えれば、36万人となる。日本の働き手不足を補完することを目的とすると、この数はもっと増えていく可能性がある。
市区町村の外国人比率はどう変化する?
想像をはるかに超える衝撃予測
こうしたデータを基に、今回は日本の市区町村で将来の外国人比率がどう変化するかを、主なケースについて予測してみよう。その方法について記述しておく。
外国人人口は在留資格者数の2022-23年の変化が毎年起こると想定し、2050年まで算定した。直近1年の増減を27年先まで延ばすのは少し乱暴ではあるが、今のペースが今後も続けばどうなるかという試算だと考えて欲しい。また、特定技能の受け入れ拡大で、この予測以上となる可能性が高いと考えておいた方がいい。
一方、人口の予測には国立社会保障人口問題研究所の日本の地域別将来推計人口を用いているが、これには日本人と外国人の区別がない。外国人の増加数は16万3791人で一定数としているので、この時点で外国人の年間増加数はすでに10万~20万人ずれており、国立社会保障人口問題研究所の外国人人口予測を問題視しなければならないが、有効な代替案もないので、2050年の日本人と外国人の総人口を外国人比率の分母に使用する。