まず、現在の外国人比率が高い都道府県ランキングを算出すると、1位は東京都になる。「2023年時点の在留外国人人口÷2020年時点の国勢調査」で、全国平均2.5%に対して東京都は4.5%と最も高く、直近1年の外国人増加率も16番目と高いため、2050年時点では現状の3倍以上に相当する15.7%まで外国人比率が上がると予測される。

 東京都の中で市区単位に見ると、外国人は集まって住む傾向があるため、かなりの濃淡が生まれる。それは、米国のロサンゼルスにリトル・トーキョーがあるのと同様、近くで暮らすことで情報共有や相互扶助などのメリットが大きいからだ。2050年時点の外国人比率が最も高いと予測されるのは新宿区で38.45%、2位が豊島区で38.40%となる。新宿区の新大久保駅周辺は以前から韓国人街であるし、豊島区の北池袋はチャイナタウン化している。

「消滅可能性都市」の豊島区は
もはや外国人で人口を維持している

 特に豊島区は、2014年に民間有識者組織 「日本創成会議」から東京23区の中で唯一の「消滅可能性都市」の指摘を受けたが、その際の理由が「2010年から40年にかけて若年女性(20~39歳)が50%以上減る」という推計だった。2022年の出生人口2013人に対して死亡人口が2506 人で493人減少、流入超過人口が2617人の流出という豊島区において、それらの合計(3110人)を上回る3536人の外国人が区の人口を増やしている。日本創成会議のように日本人のみで人口を維持しようとする考え自体が、もうすでに古いのかもしれない。

 ちなみに、23区の中で外国人比率が2023時点でも2050年時点でも最下位なのは世田谷区になる。外国人が増えているエリアは比較的雑然としていて物価が安い傾向があるが、現時点で日本人色が強い世田谷は外国人にとって住みつくだけの理由が少ないのではなかろうか。しかし、これは今後の人口増加の主たる要因となる外国人への寄与度が低いことに他ならず、見方によっては「人口が増えない街」としてネガティブに映る側面もある。