近い友人・知人を大切にする
人がもっとも孤独を感じるのは、どんなときだと思いますか?
ある研究では「言葉の通じない知らない町をひとりで歩いているとき」だとされています。
部屋にひとりでいるよりも、知り合いのいないパーティに放り込まれて手持ち無沙汰にしているときのほうが、強い疎外感を感じますよね。つながっている他者と、たったひとりの自分を比べてしまうからでしょう。
新しいコミュニティに飛び込んでいくのもいいことですが、その前に、いま周りにある友人・知人関係を見直してみて、関係が途切れないようにすることをおすすめします。
特に年代の近い友人や知人は貴重な存在です。結局、なんでも話せて信頼できる人は、同年代の友人や、付き合いの長い知人だったりするものです。
子どもは、世代も違えば価値観も異なるので、意外と理解し合えないことがあります。親のプライドのようなものがちらついてしまう人もいるでしょう。
江越先生もこう言っています。
「最終的に患者さんの心を治療するのは時間。でもそのときに、一緒に食事をしたり励ましたりしてくれる友人がいれば、居場所が感じられて治りが早くなります」
ひっそりと胸に抱えた思いを誰かに聞いてほしいとき、本当にありがたいのは隣で「そうだよな」とお茶やお酒に付き合ってくれる友達なのです。
学生時代の友人や、ご近所の知人、趣味の仲間などとの関係がずっと続くように、定期的に会うなり、連絡をとるなりしましょう。
本当に仲のいい友人であれば、同じマンションで暮らすなど、引っ越して近所に住むことを検討すると、お互いの仲が深まりますし、孤独死対策にもなります。高齢の方は、同じ老人ホームに入居するなどを考えてもいいかもしれません。