習い事は本当に
「子どもがやりたかったこと」?
小学生の場合、お子さんが本当に自発的にやりたいものはゲームかYouTube視聴でしょう。本心では「習い事よりもHIKAKINの動画をもっと見たい」と思っているかもしれません。でも小学生というのは、意外と親御さんの顔色を見ている。だから、子どもの方から「野球をやりたい」「受験したい」と言ってきている可能性もあります。
Cさんのご家族の事情は分かりませんが、もし野球と受験勉強の両方とも親がやるように誘導したのであれば、Cさんが保護者として責任を取り、どちらを選ぶべきか決断してはどうでしょうか。
受験勉強の方が重要だとCさんが決めたのなら、「野球と勉強の両立はできないから、今は野球をやめてね。その代わり、中学校に入ったら野球部に入って再開しよう」と息子さんにきっぱり伝えればいいのです。
そもそも、レギュラーを獲れるくらい少年野球をしっかりやっているのならば、動体視力は相当鍛えられているはずです。球も怖くないでしょう。受験勉強で3年くらいブランクが空いたとしても、中学合格後に野球を再開すれば問題なくプレーできるはずです。
それよりも、ちょっと心配なのはCさんのキャリアです。ご職業は自営業とのことですが、今の42歳という年齢は、仕事人生の中でも特に脂の乗っている時期。そのタイミングで3年間も息子さんに付きっきりになり、仕事に身を入れられなくなっても、ご本人としては大丈夫なのでしょうか。
というのも、親御さんのお仕事への取り組みは金銭面と密接に関わってきます。正直なところ、中学受験には「課金ゲーム」の側面があります。塾通いや受験料、そして私立中高一貫校に合格した後の学費で「弾切れ」になってしまい、大学に進む段階で「私立大は無理」「国公立にしか行かせられない」という結果になっては本末転倒です。
そうなるくらいなら、高校までは公立で良いかもしれません。最終的なゴールを大学に置いているのであれば、後からでも取り返せます。そのあたりまで見通した上で、息子さんに中学受験させるか否かを考えてみてください。