ダイヤモンド・オンラインの「学びの動画」では現在、作家で元外交官の佐藤優さんが、読者の人生のお悩みにお答えするスペシャル企画を行っています。今回は特別に、本特集『佐藤優 謙虚な人の戦略書』の一部をテキスト化してお届けします。「野球好きの息子を中学受験に専念させたい」と悩む40代女性に、「知の巨人」はどのような教えを授けたのでしょうか?(元の動画はこちらからご覧ください)
野球好きの息子を
中学受験に専念させたい
小学4年生の子どもの親です。息子は現在、中学受験の勉強と少年野球の両立に取り組んでいます。ですが私は、今後は野球よりも受験勉強を優先してもらいたいと考えています。
というのも、基本的に少年野球では、週末は朝から晩まで練習や試合があります。この先学年が上がるにつれて、野球に割く時間はさらに増える見込みです。子どもはチーム内に親しい仲間がいて、レギュラーでもあるので、やりがいを感じているようです。
しかし、子どもの現在の成績や勉強への集中度を考えると、これからも受験勉強と野球を両立し続けるのは限りなく難しそうです。中途半端な形で野球を継続して、チームに居づらくなってしまうことも避けたいので、早めに気持ちを切り替えて勉強に向かってほしいと考えています。
ただ、息子との間に「やりたかったことを無理矢理あきらめさせられた」というわだかまりを残したくはありません。どのような形で説得したら納得してもらえるでしょうか?
相談者:Cさん(40歳女性・自営業)
【佐藤優の答え】
単刀直入に申し上げます。Cさんが「息子に中学受験をさせたい」と本気で思っているのならば、すぐに野球をやめさせること。次回の練習に同行して「親の意志でやめる」と監督に伝えましょう。受験勉強以外のものは全て切り捨てないといけません。
ドラマ化された漫画「二月の勝者ー絶対合格の教室ー」はご存じかと思いますが、中学受験はまさに、あの作品の世界です。中学受験をする子は、小学4年生になる直前の2月ごろから受験態勢に入ります。息子さんがすでに乗り遅れているのであれば、今すぐ本腰を入れてください。
スタートがさらに遅れて1年後(小学5年生になる直前の2月)から受験勉強を始めた場合は、もともとの記憶力と情報処理能力がよほど高くない限り、塾のカリキュラムについていけません。