退職代行業者に駆け込む人が多い
業種・職種のトップ5は?

 上位3位には、「営業(外回り)」(317人)、「工場系(屋内)」(209人)、「事務・総務系」(139人)が入った。

 トップの外回り営業では「辞めたい理由としては、実際にやってみたら思った以上に大変で、ノルマもあってきつい」(佐藤氏)という声が多いそうだ。最近の就活生の調査でも、「知らない人と接する営業はやりたくない」という人は増加傾向にある。入社後の”配属ガチャ”で営業に回され、嫌気が差して辞めたくなる人が出てきているのかもしれない。
 
 2位の工場系(屋内)も企業規模を問わず多いという。佐藤氏は「大手の鉄鋼会社に入ったが、入社前に抱いていたイメージと違い、仕事がきついから辞めたいという新入社員も少なくない」と明かす。

 他の退職代行業者でも似た傾向にあるといい、アルバトロスの谷本氏は「製造系の依頼者には、職場自体に暗い雰囲気が漂い、上司から厳しく指導されたり、パワハラを受けたりしたことで辞めたいという人もいる」と語る。

 また意外なことに、事務・総務系が3位に入った。管理部門の事務・総務系の職種は人数が多いこともあるが、成果が可視化されにくく、希望する部署への配属がかなわず、配置された人も多いかもしれない。しかも社内からのクレームも多く、若者にとってはフラストレーションを感じやすいのだろう。

 なお、4位は「営業・販売(店頭)」(116人)、5位は「看護」(81人)という結果だった。

 本企画の後編では、1~30位を網羅したランキングの「完全版」をお届けする。「コールセンター」「ITエンジニア」「警備」「パチンコ店員」などの職種は何位に入ったのか。また、依頼者はどんな悩みを抱えていたのか。興味のある方は、ぜひお読みいただきたい。

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