ビーカー入り手作り焼きプリンで全国区に。「神奈川といえばマーロウ」を目指す看板のビーカー入り手作り焼きプリン

――今はカスタードプリンだけでなく、さまざまな種類がありますね。

白銀 常時15~20種類をご用意しています。カスタードプリンと人気を二分するのは、生クリームをふんだんに用いた滑らかな食感の北海道フレッシュクリームプリン。

 その他、黒みつやかぼちゃ、チョコレートなど10種類のレギュラー商品と、栗大納言あん抹茶やさくら、マンゴーオレンジといった季節ごとの商品を5~10種類ほど取りそろえています。

 いずれも良質な原材料を惜しみなく使っています。その分、原価は上がるのですが、お客さまにおいしいものを召し上がっていただきたいので、質は落とせません。

――おしゃれなビーカーも魅力です。

白銀 店名の元になっている、レイモンド・チャンドラーの小説に出てくる探偵マーロウのロゴマークをあしらったところ、おしゃれなメジャーカップとして使用できるとこちらもご好評を頂きました。今では周年記念や店舗限定など多様なデザインのものを作っています。

 ただ何度も買うとお客さまがビーカーを持て余すので、ご返却いただいた方には一つ100円をお戻ししています。返却後のビーカーは再利用します。検品の手間を考えると採算が合わないのですが、環境にも優しいので続けています。

ビーカー入り手作り焼きプリンで全国区に。「神奈川といえばマーロウ」を目指す横須賀市にある本店外観

――テイクアウト専門店はいつから?

白銀 2000年にオンラインショップを立ち上げ、百貨店や商業施設からお声がけいただいたのをきっかけに実店舗も出店するようになりました。今日まで、東日本大震災後の計画停電や新型コロナ感染拡大など経営に大きな打撃を与える出来事もありましたが、地元出身の俳優さんがテレビで紹介してくれたことで通販が伸びたり、3密を避けられると湘南エリアに遊びに来る方が増えたりと、おかげさまで乗り越えることができました。

 出店で資金が必要になったときも、メインバンクのかながわ信用金庫さんから融資をしていただきました。日頃から集金をはじめとして小回りが利く対応をしていただき、感謝しています。

――今後の展望をお聞かせください。

白銀「地元のお客さまに愛されるお店」が当社の原点ですから、その軸はずらしたくありません。地元に根を張って、「神奈川といえばマーロウ」と言っていただけるようなお店をつくっていきたいと考えています。

(取材・文/杉山直隆、「しんきん経営情報」2024年8月号掲載)

事業内容:プリンをはじめとした洋菓子の製造販売、レストラン運営
従業員数:220人
所在地:神奈川県横須賀市秋谷3‐6‐27
電話:046‐854‐5212
URL:marlowe.co.jp