買ってはいけないのはB社。
B社を個人のバランスシートに置き換えてみると……
企業は資金繰りにつまる(期限までに借金を返済できない)と破綻します。
B社のように、流動負債が流動資産よりも多いと、資金繰りが大変です。
話をわかりやすくするために、B社を個人のバランスシートに置き換えてみましょう。
流動資産=銀行預金、流動負債=返済期限6カ月後の借金、固定資産=自宅マンション、固定負債=住宅ローン(30 年返済)とします。
すると、一目で「これは大変!」とわかるでしょう。
流動比率に注目し、財務の安全性を測る
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100
流動負債に対する流動資産の比率(流動比率)は、財務の安全性を測る1つの指標です。
流動比率が200%以上ならば資金繰りは安定。流動比率100%以下は資金繰りが大変です。
A社の流動比率
=流動資産80÷流動負債20×100
=400%
B社の流動比率
=流動資産20÷流動負債50×100
=40%
絶対買ってはいけない株の共通点
株式投資で、絶対やってはならないことがあります。財務内容の悪い株を買うことです。
業績は変動します。今期悪くても、来期は良くなるかも。だから、業績が悪くて株価が下がっている時は割安に買うチャンスかもしれません。
ところが、財務内容は簡単には変わりません。財務がひどい会社は、少しくらい業績が良くなっても財務内容は悪いまま。最悪、破綻してしまうと、株式の価値はゼロになることもあります。
だから、業績の悪い株を買うのはOK でも、財務内容がひどい会社を買うのは絶対ダメなのです。
(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)