スズキらしさの象徴である、本格軽四駆の「ジムニー」と、コンパクトハッチの真骨頂「スイフトスポーツ」の電動化の方向性が見えてきた。スズキが実施した「10年先を見据えた技術説明会」の中で、電動化およびエンジン開発の幹部と意見交換する中で、同社の電動化の可能性が見えてきた。(ジャーナリスト 桃田健史)
次期ジムニーは
メカニカル四駆+電動ユニットも選択肢
スズキは7月17日、10年ぶりに技術戦略説明会を開催した。
次の10年を見据えた内容で、「エネルギー極少化」を軸に、車体、電動化、エンジン、DX(デジタルトランスフォーメーション)、そしてリサイクルという5つの領域について、鈴木俊宏社長と加藤勝弘専務がその概要を説明した。
時代変化の背景として、スズキが事業の主体としているインド、日本、そして欧州における四輪の電動車比率や、各地域での電源構成、グローバル市場を俯瞰したエネルギー需給の現状と将来予測をグラフで示した。
そうした中で、各国・地域で環境規制が強化されており、今回発表した5つの領域を踏まえた量産化は、国・地域の実情に合わせてできるだけ早期に実現しなければならないと結論付けた。
だが、スズキは現時点で各種量産技術の詳しい導入時期は明らかにしていない。
既存のどのモデルを次世代型として改良するのか、または新規モデルを投入するのかなど、いわゆるロードマップも示さなかった。
ただし、鈴木社長と加藤専務のプレゼンテーションが終わった後、会場内に設置された5つの領域に関する説明ブースで、各部門長と意見交換すると、量産技術について「気になる点」がいくつか明らかになった。
それは次期「ジムニー」と次期「スイフトスポーツ」に関することである。