「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」。「実家片づけ」をしないまま親が認知症になったり亡くなったりすると、「お金」「時間」「労力」という負担が子ども世代にのしかかってくるので、「実家片づけ」は”親が元気なうちに”取り組むことが大切です。とはいえ、ほとんどの親は、最初は片づけることに反対し、親子喧嘩に発展することもしばしばです。乗り気じゃない親を説得し、実家の膨大なモノや書類を片づけ、親が最期まで楽しく安全に暮らせる家にどう変えていくか……。親子だからこそ難しい「実家片づけ」のポイントを解説した、片づけアドバイザー石阪京子氏の最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』から、そのテクニックを抜粋・編集してお伝えします。

「実家片づけ」がうまくいく人、挫折してしまう人の「決定的な違い」写真はイメージです Photo: Adobe Stock

親御さんが反対するのは想定内

「実家を片づけたほうがいい」と誰もがわかってはいても、先延ばしにしてしまう。
その理由の多くは「親が反対するから」。印象としては9割の親御さんが反対します。

「そんなことしなくていい」(断固拒否)
「自分たちでするから大丈夫」(するする詐欺)

「断固拒否」の親とは、たいがい喧嘩になってそこで話が終わります。
「するする詐欺」の親とは、平行線をたどります。「自分でやると言っていたから安心していたのに、久々に帰省したらまったく片づいていなくて驚いた」という方は多いです。しかしそこを突破しない限り、実家片づけは、実行できません。

どちらの親も決して悪気があるわけではないんです。

前者は、本当に片づけなんて必要ないと思っています。モノは多いほうが豊かだという価値観を持っていることが多いですし、将来残された子どもたちがどんな大変な目に遭うか想像できていません。

後者は、やる意思はあるんだけど、体力がなかったり、やり方がわからなかったりして作業が一向に進みません。今はまだ元気だから、そのうちやればいいと思って、スイッチがなかなか入らないということもあるでしょう。

だから、実家片づけは、親が主導権を握っている間はうまくいきません。子どもが強い司令塔にならなくてはいけないのです。それが成功と失敗の分かれ目です。

これはある意味、仕事です。完遂すれば、親はもちろん、子どもも不安が消える、親子共にいいことだらけの一大プロジェクトです。親の言うまま引き下がるのではなく、必要性やメリットをプレゼンして心を動かし、片づけスイッチをオンにしましょう。

実家片づけの第1関門である親の説得のための具体策を、本書では第二章で紹介しています。

*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。