高齢の親の実家を片付ける方法をプロが伝授「床に散らかっている物は親がよく使っている物」写真はイメージです Photo:PIXTA

 高齢の親の実家の片付けをして「親とケンカになってしまった」という人は意外と多い。実家の片付けは、どこから手をつけて、どのように片づければ、スムーズにできるのだろうか?介護福祉士として介護の現場で働いた経験を持つ、片づけヘルパーの永井美穂さんによると、実家の片付けは親に寄り添うことが大切だそうだ。「例えば『床に置いてあるもの』は、単に散らかしているのではなく、親が『日頃からよく使っているもの』。単に見えないようにしまえば良いというわけではない」と話す。プロに教わった、実家の片付けの手順やコツを紹介する。

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実家の片付けを成功させる
3つの準備事項

 いよいよ片付け本番。となると、「とりあえず実家を訪ねて、目についたところから順番に片付けていこう」と考える人も多いが、慌てるなかれ。片付けを効率的に進めるには、その前にやるべきことがある。

「実家の片付けは、準備が8割と言っても過言ではありません」

 こう話すのは、実家片づけアドバイザーの渡部亜矢さん(実家片づけ整理協会代表理事)。散らかった家ほど、片付けには計画性が必要だ。そのため“とりあえず”で動き始めるのではなく、最短ルートでのゴールを目指して準備することが必要だという。

 片付けを効率的に進めるための主な準備事項は3点だ。

(1)親に電話をして、やることをイメージする
(2)聞き取りをもとに、やることリストを作成する
(3)ゴミ収集日は必ず電話で確認する

 実家に帰ったときの記憶をさかのぼったり、親に電話をかけて現状をさりげなく聞き出しながら、着手する前に片付けの全体像をイメージしておくことがポイントだ。