「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」。「実家片づけ」をしないまま親が認知症になったり亡くなったりすると、「お金」「時間」「労力」という負担が子ども世代にのしかかってくるので、「実家片づけ」は”親が元気なうちに”取り組むことが大切です。とはいえ、ほとんどの親は、最初は片づけることに反対し、親子喧嘩に発展することもしばしばです。乗り気じゃない親を説得し、実家の膨大なモノや書類を片づけ、親が最期まで楽しく安全に暮らせる家にどう変えていくか……。親子だからこそ難しい「実家片づけ」のポイントを解説した、片づけアドバイザー石阪京子氏の最新刊『介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』から、そのテクニックを抜粋・編集してお伝えします。
思わぬところに「現金」が!
これまで、親の死後の「実家片づけ」は言うにおよばず、親が元気なうちであっても「実家片づけ」がいかに大変かを書いてきました。
「大変そうだから、いっそのこと片づけ業者に依頼しようかな」と、思った人もいるかもしれません。もちろん、それも一案だと思います。
ただし、業者に依頼する場合は、想定外にお金を失うリスクがあることを知っておいてください。
年配の方の家では、思わぬところに現金が置かれていることがあります。業者の方が時間制限のある中、細かいところまで確認するのは困難です。そのため、気づかぬうちに現金をゴミと一緒に捨ててしまいかねません。
たとえば、これまで片づけた家ではこんなケースがありました。
①冷蔵庫の上のポーチに現金20万円が!
②鍋のフタを開けたら現金100万円が!
③こたつの天板を持ち上げたら1万円札がびっしり!
④ご祝儀袋や封筒、紙袋の中、本の間に紙幣が挟まっている例は頻発!
いずれも年配の方たちが、へそくりや、もらったものを忘れていたのです。
自分たちで実家片づけをすれば、「こんなところに現金が!」は、お宝発見でお祭りムードになりますが、業者に依頼して、後々「そういえばあそこにへそくりしていたはず……」となったときには“後の祭り”になります。
*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。