水遊びで子どもが溺れた!→助けに行くと親も危険、夏休みの水難事故から生還するには?【専門家が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

全国的に梅雨明けとともに、学校の夏休みが始まった。水辺で過ごす機会も増えるだろう。先日の記事「水難事故予防を専門家に聞く(上)」では、水難事故で命を救う確率を上げる予防策や、事故に巻き込まれたときにとれる対応を紹介した。本記事では、子どもの水難事故に焦点を当てる。子どもを水難事故に遭わせないために親ができることや、子どもに教えるべき水辺の注意点を水難学会の木村隆彦会長(明治国際医療大学保健医療学部救急救命学科教授)に聞いた。(ダイヤモンド・ライフ編集部 松野友美)

子どもの溺水(できすい)につながる
「後追い沈水」と「目の錯角」の危険性

 子どもが近所の川や池などの水辺で遊んでいるうちに溺れてしまう原因はいくつかある。特に「後追い沈水」と「目の錯覚」の危険性は、親から子どもにぜひ伝えておきたい。

 後追い沈水は、子どもが集団で遊んでいるときに1~2人が溺れ、その子(たち)を助けようとした別の子どもまで水に落ちて溺れてしまう事故だ。多くの子どもたちは、急に水深が深くなっていることに気が付かず、自分でも助けられるかもしれないと思って近づいて事故に遭う。

 このとき、子どもの目には「錯覚」が起きていることが多い。大人よりも身長が低い子どもは、水面との距離が近く、実際よりも水深が浅く見えやすい。だから、<水辺には急に深くなっているところがある>という注意を情報として見聞きしていても、自分の目で見たときに「浅い」と誤認することがあるのだ。

 特に「ため池」の場合は、事前の知識がないと助かりづらいことがある。