【聖心女子学院高等科】華麗なる卒業生人脈!上皇后美智子さま、元国連難民高等弁務官の緒方貞子、森トラスト社長の伊達美和子…《社会貢献編》上皇后美智子さま Photo:SANKEI

日本人初の国連難民高等弁務官に
就いた緒方貞子

 東京港区の閑静な住宅街の一角に、ひっそりとたたずんでいるのが、聖心女子学院だ。初等科(小学校)から高等科(高校)までの12年一貫教育を基本とした、カトリック系の伝統校だ。

 全国でも指折りのお嬢さま学校、といわれているが、聖心は「単なるお嬢さま学校ではない」ということを強調しておこう。

 聖心女子学院の特色の一つは、キリスト教の精神に基づく社会貢献や奉仕・ボランティア活動に熱心に取り組む校風が定着していることだ。

 その典型例は、国連難民高等弁務官、アフガニスタン支援政府特別代表などを務め数々の国際紛争の現場に立ち会い、文化勲章も受章している緒方貞子だろう。2012年までの8年半、国際協力機構理事長職にも就き、19年10月に92歳で死去した。

 緒方は元首相・犬養毅の曽孫で、初等科5年から大学まで聖心だった。卒業後は米ジョージタウン大、カリフォルニア大バークレー校の大学院で学び、国際政治学の博士になった。上智大学で長年、教壇に立っていた。

 1991年から2000年まで、国連難民高等弁務官(本部はスイス・ジュネーブ)を務めた。このポストに日本人が就いたのは初めてで、国際連合事務次長(軍縮、人道問題担当)を務めた明石康(旧制秋田県立秋田中学・現秋田高校卒)と並び、国際的な社会貢献活動をした人物として評価がすこぶる高い。