期待を可視化し共有するには
「目標シート」が有効

 具体化を確実にするためには、期待を可視化してリーダーと部下が共有する仕組みが必要です。

 私の会社、小宮コンサルタンツでは、あるお客さまの会社の仕組みを取り入れました。コンサルタントやサポート部門のスタッフに毎月1回、各人の「目標シート」を提出してもらうという仕組みです。

 そこには良い仕事(お客さまが喜ぶこと、働く仲間が喜ぶこと、工夫)をするために、各人がどのような具体的な目標を立てて、どのように行動するつもりなのかを書いてもらいます。

 たとえば、「あるお客さまの問題解決のための提案書を作成する」「日程の決まっているセミナーの準備を完了させる」などです。その際に本人と直属の上司が、目標のすり合わせをすることもあります。

 それを、翌月初に自身と直属の上司が5段階で評価した後、直属の上司や社長である私が、「目標の達成具合」などを検討して、コメントを書いて戻します。当社は社員17人の会社ですが、それでも個々の社員の細かい部分までは日常業務の中ではなかなか分からないため、目標シートはとても役に立っています。

 もちろん、1回で終わりではありません。翌月初になると各人は5段階評価とともにまた新たな目標を設定し、月末には社員自身が目標達成度合いを5段階で評価し、上司と私がコメントをして戻すということを繰り返しています。

 このようなリーダーと部下が具体的な期待を共有している会社はそれほど多くはないと思います。具体化とフィードバックが重要です。