高齢者向け賃貸住宅の制度が整えられてきたとはいえ、まだハードルが高いのが現実。家を借りられない高齢賃貸難民の「駆け込み寺」がUR都市機構の賃貸物件だ。特集『終の住み家の選び方』(全21回)の#7では、URに入居する条件と高齢者向け物件の取り組みについて紹介する。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
年齢制限がないUR物件
連帯保証人や保証会社も不要
ある70代の夫婦が、UR都市機構の賃貸住宅に引っ越した。夫婦は地方の一戸建て賃貸住宅に30年以上住んでいた。しかし、庭の手入れなどが負担になり、都市部の駅近マンションを終の住み家として選んだ。
「高齢者が普通の賃貸を借りにくいことは知っていた。URなら借りやすいと知人に聞いた」という。
高齢者がUR賃貸住宅に入居しやすい理由は年齢制限がないこと、連帯保証人や保証会社が不要で手続きもスムーズに進むためだ。人気の高さ故にUR物件はほぼ満室で、前出の夫婦も物件探しに苦労した。偶然、空き部屋が出たタイミングで即決したという。
こうして高齢賃貸難民の駆け込み寺となっているURの賃貸物件だが、入居するための条件は意外と厳しい。
次ページでは、URの賃貸物件に入居するための、月額家賃別に設定されている収入・貯蓄要件について一覧表にした。また、URは高齢者向け物件にも力を入れており、どんな取り組みをしているのか、その中身を紹介する。