毒親と離婚の原因になるDV・モラハラ夫(または妻)は、共通点が多い――。そう語るのは、主にDV・モラルハラスメント(モラハラ)がからむ離婚問題を取り扱う、テミス法律事務所の柴田収弁護士。「毒親とモラハラ配偶者の共通点」に加えて「弁護士に毒親被害を相談するときのポイント」を教えてもらった。(取材・文/ジャーナリスト 村田くみ)※守秘義務の関係上、実際の事案から一部を改変しています
毒親とモラハラ配偶者に共通する「思考パターン」とは
大人になって親元から独立してからも親の過干渉や暴言に悩まされている人は多い。会社員のB男さん(30代)もその一人で、「毒親との縁を切りたい」と長年思い続けていた。
実家は代々、中国地方で病院を経営し、B男さんも子どもの頃から医者になるため猛勉強をしてきた。ところが、有名大学の医学部に進学するとともに「燃え尽き症候群」に陥ってしまい、そのまま大学を中退。しばらくフリーターとして働いた後に正社員として就職した。
「子どもの頃から『将来は医者になりなさい』と両親からスパルタ教育を受けて、有名大学の医学部に進学できたのはよかったのですが、本人は医者になりたかったわけでもないので、大学に入学したとともに完全にやる気が失せてしまい、早々に退学してしまったそうです」
「実家にも居づらくなって県外に転居してからは、母親が色々と用事をつけてB男さんに会おうとしたのですが、会う度に『いままで学業に費やしたお金を返しなさい!』などと嫌味を言ってくる。母親はお金が欲しくてそう言っているのではなく、自分の思い通りにならなかったことに対して、悔し紛れに暴言を吐いて子どもを責めていた。典型的な毒親のパターンです」(柴田弁護士)
親子間のDVに関する相談を受けるなかで、毒親と離婚の原因になるDV・モラハラ夫(または妻)は、共通点が多い。