2023年度の納付額1.1兆円に
ポイント付与禁止を打ち出したが
ふるさと納税制度による寄付の総額が、2023年度は1.1兆円となった。いまや日本の地方財政では無視できない巨大な存在になってしまった。敦賀原発の地元の公共団体では、いまやふるさと納税による収入の方が原子力立地給付金などの原発関係収入を上回るという。
しかし、だからといって、「自治体に新しい収入源が生まれた」と喜んではいられない。
大都市では巨額の税収が失われて公共サービスに支障が出ており、寄付を受ける地方でも特産品があって寄付が集まるところと、これといった特産品がなく寄付が得られない自治体とでの不平等が起きている。利用できる枠は高所得者ほど大きいという不公平もある。
総務省は、規制を超えた「隠れ返礼品」が得られる仲介サイトによるポイント還元を来年10月から禁止することを打ち出した。
これまでも制度を巡って問題が起こりさまざまな対応策がされてきた。しかしこれらの対応策は制度の基本を変えるものではなかった。
巨大化した不公平税制は抜本的な見直しが急務だ。