民間の有識者でつくる人口戦略会議が今年、2050年までに20代から30代の若年女性が半減し、消滅する可能性がある744自治体を公表した。10年前に日本創成会議が「消滅可能性自治体」を公表して以来、各自治体は子育て支援などに力を入れているが、いや応なく進む少子高齢化は財政をも窮乏させている。それは大都市も例外ではない。特集『人も財政も消える街』では、7月2日(火)から13日(土)までの全6回にわたり、独自ランキングでその実情をあぶり出す。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
#1 7月2日(火)配信
「消滅可能性自治体」数字の上では減少も実態は変わらない理由、人口減が止まらず財政や行政サービスに打撃!
人口戦略会議は4月、消滅可能性自治体が10年前の「896」から「744」に減少したと発表した。しかし、これは外国人増加分の寄与が大きい。その部分を考慮すれば実態は変わっていないと言ってよい。人口減少、少子高齢化は自治体を窮乏させ、行政サービス、地域経済にも影響を及ぼす。人口の自然減ペースを抑制できなければ、各自治体が人口の奪い合いをしているにすぎない。
#2 7月4日(木)配信
【人口を横取りしている自治体ランキング】2位豊島区は人口流入増で「消滅可能性自治体」の汚名返上!1位は?
人口の自然減が大きいのに他の自治体からの流入で人口が増えている「人口横取りランキング」を、ダイヤモンド編集部が独自に作成した。上位を占めたのは首都圏の自治体、とりわけ東京23区だ。2位の豊島区は10年前の調査時、23区で唯一消滅可能性自治体に認定されたが、今回は他の自治体からの「横取り」によりその汚名を返上したことになる。
#3 7月6日(土)配信
【高齢化が加速する大都市ランキング】3位は東京23区のあの自治体、2位川崎市、1位は東北の県庁所在地!
政令指定都市などの大都市は、今後も総人口の減少は緩やか、もしくは微増する見通しだ。だが、安泰ではない。生産年齢人口の減少で税収減が見込まれる中、高齢者の増加ペースは加速する。1位の仙台市は生産年齢人口が2割減かつ高齢者人口が3割増加する。2位の川崎市は生産年齢人口が1割弱減にとどまるが、高齢者人口は1.5倍になる。高齢者人口増加への対応が急務だ。
#4 7月9日(火)配信
【人口が増え自然減も緩やかな“理想的な街”ランキング】2位は「母になるなら」の流山市、1位は?
人口の自然減を極力抑え、他の自治体からの流入で結果的に人口が増加する。それが現代の日本で理想的な街といえる。そんな理想の街のランキングを作成した。2位は「母になるなら、流山市。」のキャッチコピーで子育て世代へのアピールが奏功した千葉県流山市。その流山市を抑えた1位はどこか?その施策や地理的条件を検証し、理想的な街になる要因を探り出す。
#5 7月11日(木)配信
人もカネも消える!【将来財政窮乏度ランキング】人口5万人以上で1位・河内長野市が始めた再生戦略を徹底検証
生産年齢人口が減れば地方税が減少し、高齢者人口が増えれば福祉医療費が増加する。ダイヤモンド編集部は、各自治体の財政が30年後にどのように悪化するかを予想した「将来財政窮乏度ランキング」を作成した。人だけでなく財政も消える街をあぶり出す。人口5万人以上の消滅可能性自治体で全国トップだった大阪府河内長野市は、既に再生に向けて動き始めている。
#6 7月13日(土)配信
「消滅可能性自治体」という言葉の生みの親、日本郵政社長・増田寛也氏に聞いた「人口減の処方箋」
2014年に「消滅可能性自治体」という言葉を初めて公表した日本創成会議で座長を務めたのが、元総務相で現日本郵政社長の増田寛也氏だ。増田氏は今回の人口戦略会議でも副議長として主導的な役割を果たした。消滅可能性自治体の生みの親ともいえる増田氏に、人口減少にどのような「処方箋」が有効か聞いた。
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