「日本株大暴落」を予見、大損失を回避した著名投資家が注目していた“指標”と“株価急落の前兆”写真はイメージです Photo:PIXTA

2024年8月5日、東京株式市場で日経平均株価が史上最大の下げ幅を記録。多くの個人投資家がパニックに陥った。そんな中で、暴落を予見して直前で売り逃げた投資家がいた。『日本株で新NISA完全勝利 働きながら投資で6億円資産を増やした僕のシナリオ』(アスコム)の著者・上岡正明さんが注視していた“ある指標”とは。新NISAや中長期投資で役に立つ「株価急落の前兆」を察知する方法を紹介する。(取材・文/ジャーナリスト 村田くみ)

大暴落直前に察知した
海外投資家の“不穏な動き”

 5日、日経平均株価の終値は4451円安の3万1458円で、“令和のブラックマンデー”となったが、翌日は一転、前日3217円プラスの3万4675円で終値を迎えた。落ち着いたかと思いきや、その後株価の乱高下が続いた。

 この間、新NISAで投資をスタートした人たちの間では、「積み上がった含み益が吹き飛んだ」「大急ぎで手放した」という声を聞くが、上岡さんは、「成長投資枠で株式投資をしている人は“狼狽(ろうばい)売り”だけはしないように」と、注意を促す。

 株価の下落を見て慌ててうることを狼狽売りという。株価が下落すると含み益のある人は利益確定売りに動き、含み損を抱えている人は、これ以上の損失を恐れて売りを急ぐという行動を取りがちだ。

「日経平均株価は今年4万円台を超え、4月にいったん下落してまた7月にかけて上昇しました。今は3万5000円前後で推移していますが、まだ上がり続けると思っています。状況次第では、空前の日本株ブームが起こる可能性があります。ただし、株価はずっと右肩上がりというわけではなく、今回のように短期的に下落、上昇を繰り返す “調整”に入ることがあります。一喜一憂しないで、値動きが安定するまで静観したほうがいいでしょう。特に今年から新NISAの成長投資枠で株式投資を始めた人は、『含み益が1日で吹き飛んだ』と慌てたでしょうが、慌てて売却しないように」(上岡さん)

 上岡さんはこの“令和のブラックマンデー”が来る前に、自身が保有していたAI、半導体関連銘柄はすでに売却していたので、含み損はほとんどなかったそうだ。ポイントは米国市場と海外投資家の動向だった。