Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

利上げと円高急伸で“パニック売り”
背後に海外投機マネーの先物取引

 日経平均株価は8月2日、ブラックマンデーに次ぐ2216円の大幅な下落、さらに週を明けた5日に4451円と史上最大の下げ幅を記録した。翌6日には一転して3217円と史上最大の上昇をし、7日にも414円上昇して3万5000円台に戻したが、株式市場は、乱高下と不透明は状況が続いている。

 約1カ月前の7月11日に日経平均株価は4万2426円と史上最高値を更新していた。ところが、12日に1033円下落、18日も971円下落、25日も1385円と大幅下落が起き、29日は801円上昇、31日も575円上昇し、7月末には3万9100円台まで戻した。

 そして8月に入ると、1日の975円下落に続いて「史上最大のパニック売り」が起きた。

 エレベーターが上下するような株価の乱高下と並行するように進んだのが為替市場の激しい変動だった。円ドルレートは、160円台の円安が進むと円買い介入などで151円台まで円高に戻り、しばらくするとまたじわじわと円安が進む展開が繰り返されてきた。

 株パニック売りの引き金となったのも、7月31日の日本銀行の追加利上げ決定を受けての円高急伸だった。

 この1カ月余りの為替と株価の乱高下は円買い介入や金融政策の変更などが直接的には絡んでいるが、激動を増幅させた主役はほかにいる。値動きを先読みして利益をかせごうとする投機マネーによる高速先物取引だ。