汗をかいたら、汗拭きシートなどで
まずニオイ成分を拭き取る

 実際に、「あれ? もしかして自分は臭ってる?」と思った時の応急処置法はあるのだろうか。

「ニオイを自覚したときには、すでに物理的なニオイ分子が発生してしまっているので、対症療法で対応するしかありません。おすすめの方法は、汗拭きシートで汗・皮脂とニオイ分子を拭き取るか、消臭スプレーでニオイ分子を吸着、分解させて臭わなくします」

 タオルやハンカチで拭く場合、乾いたものではなく、濡れタオルやハンカチを使おう。汗には気化熱で体温を下げる役割があるので、乾いたタオルで拭き取ると、ニオイ成分が取れないばかりか、汗が気化して体温を下げる働きを奪うことになり、熱中症対策にもよくない。

 必ず濡れタオルや汗拭きシートなど、水分を含んだものを使いたい。あらかじめ、速乾性、汗の吸収性、消臭性、抗菌性などが備わった機能性インナーを着用するのも効果的だ。

 手っ取り早く、香りでカバーする手もある。ある程度の体臭であれば、香水やアロマスプレーなどのフレグランスでニオイをマスキングし、カムフラージュするのだ。

「その場合でも、まず汗拭きシートや濡れタオルなどでニオイ成分自体を取り去ってから使うこと。そうしないと、体臭とフレグランスが混ざり合って、思わぬ変なニオイになってしまうこともあるので気を付けましょう」

 反対に、自分と相性のよいフレグランスを使えば、得も言われぬよい香りになる可能性もあるということだ。体臭は100種類以上のいろいろな成分でできているので、ある人がそれを使ってよい香りになるからといって、自分もよい香りになるとは限らない。フレグランスを使う際には、事前にいろいろ試してみる必要がある。

 また、自分にとって良い香りが、他人にとっては嫌な香りとして感じられる可能性もあることも心得て、配慮しながら使いたい。