中高年なのに「クサくない人」がやっている習慣とは?異なる「2つの体臭」の対策法を医師が解説写真はイメージです Photo:PIXTA

中高年になったら気をつけたいのが、「加齢臭」と「ミドル脂臭」だ。それぞれの特徴やその原因、応急処置方法、臭いにくくする日常生活のコツを内科専門医に聞いた。(取材・文/フリーライター 楠本知子)

加齢臭とミドル脂臭は別もの
さらに、年齢を重ねると出てくるのが…

「加齢臭もミドル脂臭も、加齢に伴って起きるニオイですが、それぞれ原因もニオイの成分も違います」と話すのは、内科医で天籟代表取締役の桐村里紗氏だ。

「加齢臭」は主に50代以降に出現するニオイ。皮脂の中のパルミトレイン酸という成分が酸化して2-ノネナールという成分に変化することが原因で発生する。発生する場所は胸回りや背中、胴回りなど体幹部で、古本やろうそく、枯れ草などに似たひなびたニオイが特徴だ。

 一方「ミドル脂臭」は特に40代男性に多いニオイで、皮脂と汗の混合臭である。汗の中のジアセチルという成分に、皮脂の中の中鎖脂肪酸が合体して発生する。発生する場所は主に後頭部。古くなったり、劣化したりした油のニオイである。

「加齢臭とミドル脂臭を一律に『加齢臭』と思っている方も多いのですが、これらは別ものです。女性が嫌う加齢臭は、実はミドル脂臭であることが多いのです」

 ミドル脂臭の発生は40代、加齢臭は50代がピークで、さらに年齢を重ねるとミドル脂臭も加齢臭も減って「老人臭」というアンモニアのニオイがするようになる。このように、体臭は年齢に伴って変化していく。