疲労回復のプロが教える「7つの入眠ストレッチ」、寝ついてから“最初の3時間”が勝負!【実践写真付き】寝る前に行えば、深い睡眠が得られる Photo by Yoko Masuzawa

最近疲れが取れないと感じたら、「睡眠の質が下がっている」という脳からのアラームかもしれない。なぜ疲労を翌日に持ち越してしまうのか。疲労回復のポイントと深い眠りをいざなうストレッチを、専門家が指南する。(取材・文/フリーライター 増澤曜子)

活性酸素が増えすぎると
疲労因子が発生する

「疲労は、脳が私たちに発するアラームです」

 こう語るのは、疲労回復専用ジムのプログラムディレクター松尾伊津香さん。松尾さんは大学で心理学・精神医学を学び、卒業後にヨガインストラクターとして活動を始めた。多くの人々の心身の健康に向き合ってきた経験をもとに、疲労回復の指導やセミナーを行っている。

「飽食の時代である現代では、昔のように食料欠乏によるエネルギー不足が原因となる疲労は、ほとんどありません。現代の疲労の原因の一つとして、活性酸素の過剰な発生が考えられます」

 活性酸素とは、体内に取り込まれた酸素の一部が通常よりも活性化された状態になったもので、日常的に発生している。免疫や細胞間のシグナル伝達、排卵、受精などさまざまな機能に利用されているが、しかし過剰になると細胞に傷害をもたらす。

「活性酸素によって細胞が傷つけられると、疲労因子(FF)が発生します。この疲労因子を脳がキャッチすると『疲れた』と感じるのです。いわゆる全身倦怠感です。これは、脳が私たちに休養するようにと発するアラームでもあります」