枕や肌着などを嗅いで、自己判断を
通常と違うニオイの場合はどうする?

中高年なのに「クサくない人」がやっている習慣とは?異なる「2つの体臭」の対策法を医師が解説桐村里紗 医師、天籟代表取締役

 自分が臭っているかいないかを自己判定する方法はあるのだろうか。

「ミドル脂臭は、自分の枕のニオイを嗅ぐとわかります。いわゆる油臭いニオイで、ミドル脂臭については自分のニオイでも不快に感じるでしょう。加齢臭も肌着やシーツなどのニオイを客観的に嗅いでみるとわかると思います」

 年齢に伴って発生するミドル脂臭、加齢臭のほかに、年齢や性別にかかわらず誰にでも起こる「疲労臭」というものもある。ひどく疲れて肝機能が弱ってしまうと、腸で発生したアンモニアを肝臓で無臭・無毒化できなくなって血液中にアンモニアがあふれ、その結果、汗からアンモニア臭が発生してしまうのだ。

「疲労臭は体内の異変を示すバロメーターでもあるので、こういうニオイがある場合には、生活を見直したり、医師の診断を受けたりするきっかけにするとよいでしょう」

 とはいえ、嗅覚は常に発生しているニオイには慣れてしまいやすい性質があるため、自分が発しているニオイを感じにくくなる傾向がある。家族や親しい人などの他人に判断してもらうほうがよいだろう。

「絶対に傷つかないから、臭う時には言ってほしい」と普段から話し合っておくのが一番確実だ。

「ミドル脂臭や加齢臭は加齢に伴って発生する生理的なニオイではありますが、生活習慣が悪いと悪臭化してしまいます。『いつもより体臭がひどいな』とか『なんか違うニオイがするな』と感じた時は、率直に指摘してもらうようにして、体調を見直すきっかけにするとよいでしょう」

 ニオイというのは、対外的・社会的な問題になりうる可能性のある重要なファクターだ。家族や親しい人たちとも敬遠せずに話題にできるような環境にしておきたい。