稲盛氏が「好きな仕事」論にキッパリ!

「自分が好きな仕事に就けるのは非常にまれなことなんです。好きな仕事をしたいと思って選んでも、実際にその仕事をやってみたらあまり好きじゃなくなったなんていうことがよくあります。好きなことをするのではなくて、与えられた仕事、遭遇した仕事を好きになる努力が必要なんです」

「自分の仕事が好きでなかったら長続きしません。人生でうまくいくためには長く続けなければならない。長く続けるためには、好きにならなければならない。必要なのは好きな仕事に就く努力ではなく、たまたま就いた仕事を好きになる努力なんです」(ダ・ヴィンチ)

 稲盛氏は、情熱こそが人間の持つ潜在能力を最大限に引き出し、不可能を可能にすると信じていた。実際、京セラや日本航空の成功は、その信念に基づくものであり、多くの経営者に深い影響を与えた。

 他方、現代の物質的に恵まれた豊かな社会においては、趣味、好きなことの延長として始まるベンチャーも数多く存在しているのも事実である。

 これらのベンチャーは個人の興味や楽しみから発展しており、稲盛氏が説く「情熱」とはまた異なるものの、それでもモチベーションが成功を導く原動力となっていることに変わりはない。

 モチベーションにはさまざまな形があり、それぞれが成功への道を切り開く力となるのである。