夫の浮気相手は自分が勝ったことを
妻に見せつけたかったのだろう

 その時は子供たちに注意をひかれ、写真に胸が痛んだが、目の前の惨状を深く掘り下げはしなかった。別荘のあるオーランド島にいたのだ。

 年明けの大型連休「スポーツ休み」で娘たちはスケートに行きたがっていた。別荘の目の前にある湖はスケートのためにあるようだった。クロスカントリースキーもできる。子供の頃、祖母と私はこの湖を何周も滑った。そんな幸せな記憶とは正反対の人生を生きている気がした。

 結婚生活は破綻した。私は氷に覆われた湖を無気力に眺めていた。1年前の同じ頃、家族4人でここに来ていた。その夫にはもう新しい生活、新しい女性、新しい子供たちがいるのだ。

 ダウンジャケットを着込み、靴を履き、帽子をかぶり、手袋をはめた。子供たちはもう外で待っていた。はしゃいでいるように装ったが、内心は激しく動揺していた。何であれ、これが長年の結婚生活に対する彼の返事なのだ。私が何も気づかないうちに、背後ですでに起きていたことだ。

 周りの誰が知っていたのだろうかと改めて考えたが、詮索しないことにした。私は捨てられたのだ、それは明らかだった。きっと夫の浮気相手はプロフィール写真を私に見せたかったのだろう。そうやって自分が勝ったことを示したかったのだろう。夫を手に入れたことを。おそらくだが。

 不倫をして新しい人のもとへ向かう夢と共に恋をし、満たされ、選ばれたことに酔いしれる人もいれば、一方で不倫や浮気をされても関係を続ける人もいる。裏切られた者にとって別れることは難しいことだし、なんて苦しいんだろう。私は不倫や浮気に関するすべてがつらく感じる。騙されることは怖いし、捨てられるのは本当に傷つく!裏切った相手と関係を続け、信頼関係を再構築するなんて、どんな試練だろう!