米国の一流大学や金融業界の採用担当者は、権威ある高校数学のコンテストで競い合う10代の天才に以前から目を付けてきた。ところがカンニング疑惑が浮上し、コンテストに混乱が生じる恐れが出ている。
「米国数学コンペティション(AMC)」は74年の歴史を誇る、米国で最も有名な数学コンテストだ。その問題がネット上に流出し、何年もかけて準備を進めてきた生徒たちが動揺している。新学年度とコンテストシーズンを前に、腹を立てた親や数学コーチがコンテストの管理団体に管理強化を求めている。
大学の入学許可を勝ち取るための競争はプレッシャーが大きく、生徒は競争に勝つために何かしらの強みを探すようになる。カンニング騒動はそうした競争の新たな副産物だ。