米国は今夏、記録的な猛暑に見舞われているが、天然ガスは供給過剰を背景に値下がりし、生産者が再び減産に動いている。EQTやコテラ・エナジーといった国内大手は生産を抑制している。新たな井戸のパイプラインへの接続は急いでおらず、掘削プロジェクトを遅らせている。エアコンの使用で電力需要が高まる夏にはめったに下がることのない天然ガス価格が今年は下落し、生産者は価格押し上げを狙う。20日のニューヨーク市場では、指標となる天然ガス先物が100万BTU(英熱量単位)当たり2.198ドルで取引を終えた。前年比では14%安で、6月中旬に付けた直近高値からは30%下落した。生産者が減産計画を公表し始める前だった今月初め、先物はさらに低い水準で取引され、2ドルを下回っていた。2020年の新型コロナウイルス流行に伴うロックダウン(都市封鎖)中の大幅な下落を除けば、夏に天然ガス価格がここまで下落したことは1990年代以降なかった。