ポストSAPIX 中学受験の少数精鋭塾大解剖#11Photo by Toshimasa Ota

首都圏における中学受験塾の王者、SAPIX(サピックス)の次を担う中学受験塾はどこなのか。今、難関校志向を売りとする「少数精鋭型」の中学受験塾の人気が高まっている。知られざる少数精鋭塾の神髄を各塾のキーパーソンへの忖度(そんたく)なしのインタビューで明らかにする連載『ポストSAPIX 中学受験の少数精鋭塾大解剖』#11では、「難関国・私立中受験専門スーパーエリート塾」を掲げ、関西系ならではの面倒見の良さで知られる「希学園首都圏」の山﨑信之亮・学園長をインタビュー。その前・中・後編のうち前編をお届けする。(教育ジャーナリスト おおたとしまさ)

首都圏進出は2004年
小3以前の入塾者が約7割

おおたとしまさ まず、塾の生いたちについて、関西での創立と首都圏への進出とを分けながらお話を伺えればと思います。

山﨑信之亮・希学園首都圏学園長 もともと関西の希学園は1992年創立です。関西の一支店として首都圏に出てきたのは2004年です。全然関係ないのですが、私自身は関西の7期生でした。恵比寿教室が開校した次の年から学生バイトとして在籍していました。

おおた なるほど。

山﨑 関西から首都圏を分社化したのが13年です。

おおた 前史としては、浜学園さんからの分離・独立でしたね。

山﨑 現理事長の前田が独立したということです。

おおた サピックスさんがTAPさんから分離したのが89年でしたか。あれがバブルの真っただ中で、希学園さんはバブルがちょうど終わったときで、経済的には悪い状態でのスタートだったのかなという印象があります。

山﨑 はい。経済的には悪い状態でしたね。塾名に関しては、新幹線の「のぞみ」号が走りだしたのと同じ年だからというのもあったんですよね。今も公開テストの母集団は関西と首都圏を合わせた全員です。関西が1学年600人強、首都圏が200人強で、合計800人から900人ほどの規模で模試を実施しています。首都圏は年によりますが1学年が200人ぐらいですね。

希学園「男女御三家・筑駒・灘…名門・難関中合格を目指すスーパーエリート塾」を掲げる希学園首都圏は東京と横浜に計4教室を展開する Photo by T.O.

おおた 現在の学年別の生徒数について、首都圏の状況を教えていただけますか。

山﨑 26年1月1日時点で全塾生は1025人です。これは週に1回しか来ない子も含めた登録者数です。小6は188人ですが、小5と小4が250人から270人ほどです。

おおた 小5から小6でふるいにかけられるわけではなく、低学年ほど生徒が多い状況ですね。この企画で取材するどこの塾も同じ傾向です。

山﨑 今は小3が184人ですが、ここに小4から入塾する子が加わります。

おおた 小4からどれくらい加わるのでしょうか。

山﨑 100人はいかないにしても、50人から60人ぐらいでしょうか。

おおた それでも、小3以前から在籍している子の方が3対1ぐらいで多いのですね。小3以前からがマジョリティーになったのはいつごろからですか。

山﨑 この10年ぐらいではないでしょうか。当初、1、2年生のクラスはありませんでした。しかし、ご要望が多くて始めたのが、まさに10年ほど前です。

おおた 先生たちの立場からしても意外なニーズだったのですね。次に合格実績の母集団の数え方について教えてください。

山﨑 定常授業に来てくれている子たちです。一応オンライン講座もありますが、その子たちは10人もいないぐらいです。

おおた その10人以内のオンライン講座の生徒も合格実績に含まれているのですね。

山﨑 含まれています。実績報告会では、例えば「〇〇中学に何人合格のうち、この子はオンライン、この子は対面です」というように分けて表現しています。

おおた 定常講座というのは例えば「算数オリンピック対策講座」のみの生徒さんも含みます?

山﨑 論理的には含まれますが、その講座は6月ぐらいに終わるので、その後は別の講座を取って卒業していくというイメージです。

おおた では、本題に入っていきたいと思います。現在の首都圏のいわゆる四大塾(サピックス、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー)に対して希学園さんの立ち位置の違いがあれば。