NHKの報道と並行して、メディア各社には「9/7と10/2のジャニーズ事務所の会見の運営を担当したものの1人です」と名乗る匿名の人物から、「指名候補記者リスト」「指名NG記者リスト」として、それぞれメディア名と記者名が記載された内部資料がメールで送付されていた。

 メールの文面には「当日朝にそのリストが配られ、運営メンバーに共有されました。運営メンバーは顔写真入りのリストをもとに、記者がどこに着席するかを追跡し具体的な着席場所を司会に共有しました」などとつづられていた。10月5日にFRIDAYデジタルが流出した資料について画像付きで報じた。

大手法律事務所などの協力で
FTIコンサルティングが社内調査

 解体的出直しを誓ったはずのジャニーズで、なぜこんなことが起きてしまったのか。このほどその取材でくわしい経緯が判明した。

 関係者によれば、10月2日の会見に先立つ9月29日の夜、東山氏と井ノ原氏も出席して会見に向けた打合せが行われたという。席上、会見の運営を受注した外資系PR会社の「FTIコンサルティング」側から「スムーズな進行のため、前回、9月7日の会見での質問の内容を踏まえて、念のために司会者が指名しないほうがいい記者のリストを作成しました」との説明があった。

 それに対し東山氏や井ノ原氏からは「そんなことしたら絶対だめでしょ」とオペレーションを見直すように強い指示があり、その場はFTI側も「わかりました」と引き下がったという。実際、当日の質疑ではNGとされた記者も約半分が指名されている。反対に「指名候補記者」とされたなかに指名されなかった記者もいた。司会者も9月29日の打合せには参加しており、東山氏や井ノ原氏の会見に臨む姿勢を共有できていたことが大きい。