寝ている間に疲れが回復する
メカニズムとは?

疲労回復のプロが教える「7つの入眠ストレッチ」、寝ついてから“最初の3時間”が勝負!【実践写真付き】「入眠ストレッチ」を教えてくれた松尾伊津香さん。疲労回復専用ジムのプログラムディレクターとして、指導やセミナーを行う

 疲労を回復するためには二つの方法がある。一つは、オーバーワークを避けること。過度な運動やストレスは、活性酸素の産生を増やしてしまうからだ。

「もう一つは、疲労因子を除去する疲労回復因子(FR)の産生をうながすことです。体内に疲労因子が発生すると、これによる損傷を修復する疲労回復因子も発生します。疲労因子の発生に回復因子の発生が追いつかないと、疲労が残ってしまうのです」

 起きている間には疲労が取れなくても、睡眠中は疲労因子が発生せず疲労回復因子の産生が追いつくので、朝起きた時には疲れが取れている、というのが疲労回復のメカニズムだ。

「また、睡眠中には疲労回復に重要な役割を果たすメラトニンが分泌されます。メラトニンは睡眠中に分泌されるホルモンで睡眠を誘発する働きがありますが、活性酸素を無害化する強い抗酸化力も持っています」

 たまり続ける疲労を取るためには、疲労回復因子のリカバリー力が優位になり、抗酸化力が高まる睡眠が重要となる。しかし、ただ眠ればいいというわけではない。疲労回復には、睡眠の最初の3時間を熟睡することがポイントだ。

「睡眠中は、ノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)が交互に現れます。入眠後3時間に現れるノンレム睡眠は特に深く、脳が休むとともに、成長ホルモンが大量に分泌されます。成長ホルモンは細胞を修復し疲労を回復させる大切なホルモンです」

 疲労回復に重要な「最初の3時間」で深く眠るためにはどうしたらいいのだろう。