会社の看板を背負いすぎて
もはや会社と一体化している人たち

「ブランド」「ブランディング」という言葉を聞くと、「それって、大きな会社が取り組むことでは?」と考える方もいるかもしれません。

 確かに企業のブランディング活動は花盛り。生き残りをかけて、多くの企業が戦略的にブランディングに取り組んでいます。

 しかし、ブランディングは企業や組織だけのものではありません。会社のブランディング活動に身を任せ、自分個人は何もしないでいると、会社というブランドを構成する「群衆その1」「駒のひとつ」として、自分自身を見失うことになります。

 例えば、日本の商習慣では、取引先や営業先で自己紹介するとき、「○○社です」などと会社名だけを名乗り、自分の氏名を名乗らないことがあります。

 愛社精神といえば聞こえがよいですが、その実、「替えが利く、会社の一兵卒です」と自ら言っているようなもの。自分と会社が一体化してしまい、自分という個性が失われている危険な状態です。

イラスト2Illust:(C)守山菜穂子 拡大画像表示