名刺交換をするビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

副業解禁や70歳定年など、人々の働き方が大きく変化している昨今。これからの社会を生き抜くビジネスパーソンに必須のスキルが「パーソナル・ブランディング」だ。会社の看板から自分の看板へ。“群衆その1”から抜け出すべく、会社ブランドとは別に「自分ブランド」を確立しよう。これまで経営者や政治家など、2500人以上のパーソナル・ブランドを構築してきた著者が、自身をブランド化し、成功をつかむためのメソッドを授ける。※本稿は、守山菜穂子氏『選ばれる人になる「パーソナル・ブランディング」の教科書』(三笠書房)の一部を抜粋・編集したものです。

現在志向ではなく未来志向
AIに代替されない人になる

 近年「AIやロボットに置き換えられる職業」がよく話題になりますが、実は、自分の職業がなくなるか、なくならないか、問題はそこではないと私は思っています。

 なぜなら、「なくなる職業」は、人口減少が叫ばれている社会全体で見ると、そもそも人間がそんなことをしている場合ではない、さっさとAIやロボットに任せて人間はほかにやるべきことがあるという仕事だからです。

 私たちは人間として、人間しかできない価値を提供する使命があります。

 今やるべきことに注力していれば、その延長線上に次なるキャリアが見える……という「現在志向」の考え方では、この先、人生は必ず破綻します。前提となる「今」が、めまぐるしく変化しているのですから。

 AIと共存する社会を、ひとりの人間として生き抜くためには、「未来」を考える姿勢が絶対的に求められます。「未来志向」の生き方です。

 そこで、まずは自分の5年後、10年後、20年後のありたい姿や目的地を、できるだけ具体的にイメージしましょう。そのビジョンの達成に向けて、取るべきアクションプランを策定し、それに従って行動していくのです。

 人が提供する価値は、「機能的価値」「情緒的価値」の2つに分類できます。AIやロボットに置き換えられるのは機能的価値、置き換えられないのは情緒的価値です。

 機能的価値とは、商品やサービスの機能や性能がもたらす価値のことです。