別れがこれほどの
苦痛をもたらす理由
別れは私たちの体、心、そして行動に大混乱をもたらします。そこにさみしさ少々と、小さじ1杯分の苦悩を加えると、死にいたる破局のカクテルのできあがり。フィッシャーによると、別れによってコルチゾール（ストレスホルモン）値が増えるため、免疫システムが抑制され、対処メカニズムが弱まります。
その結果、不眠や侵入思考（訳注：本人の意思とは無関係に生じる思考やイメージのこと）、抑うつ、怒り、消耗性の不安などが起こります。驚くべきことに、IQテストのスコアの低下や、推論力や論理的思考力を要する複雑なタスクでのパフォーマンスの低下までも引き起こすのです。また、恋人と別れた人は、薬物使用や犯罪の確率が高まることも指摘されています。この傾向は、別れを切り出した当人（研究者が呼ぶところの「発案者」）であっても同じです。
