「つらいときにリフレッシュする方法がありますか?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

【永久保存版】精神科医がオススメする「つらいときにリフレッシュする方法」ベスト6Photo: Adobe Stock

「リフレッシュ」する方法

 生活を続けていくって大変ですよね。

「もうダメだ…」「ツラい…」と感じるとき、皆さんはどうしていますか?

 頑張りすぎてしまう人ほど、そんなときこそ「もっと頑張らなきゃ」と自分を追い込んでしまうことが多いもの。

 でも、じつは「ツラいときこそ自分を甘やかす」なんてバランスのほうが、心と体にとって、人生という長い旅路を進むためには大切なこともあるんです。
 そんな、ふとしたときにリフレッシュする方法について、今日はいくつか共有したいと思います。

 今日は思い切って自分を甘やかして、元気を取り戻してみませんか?

1. 「今日は何もしない日」を作る

 まず、最初に試してほしいのは「日常から離れる時間」を作ることです。
 遊ぶことや何もしないことに罪悪感を感じる人もいるかもしれませんが、人間がリフレッシュして気持ちを切り替えるためには「日常ではしないこと」をあえて行うことが大切だとわかっています。
 人間は日常や生業とすることだけを続けていると、心身ともに疲労して気づいたらイライラするようになります。

 いつも頑張っている自分に「今日は何をしてもいいんだよ」と許可を与えることも、日常そストレスに向き合うために大切なのです。
 好きな音楽を聞きながらゴロゴロするもよし、寝たいだけ寝るもよし
 1日何も考えず、リラックスする時間を持つことで、頭の中がクリアになり、明日へのエネルギーが蓄えられるはずです。

2. ゆっくりお風呂に入る

 次にオススメなのが、お風呂でリフレッシュする方法です。
 幸いなことに日本は水も豊富でお風呂に入ることにそれほど苦労しません。

 お風呂に入ると、体が温まり、血流が良くなることで、体の緊張がほぐれ、心もリラックスします。
 お湯に浸かって「今の自分、結構頑張ってるな」と自分を褒めてあげることも大切です。

 また、好きな入浴剤やアロマオイルを使えば、さらにリラックス効果が高まります
 ふだん長湯する習慣がない人ほど、「日常ではしないこと」をするのも大切ですので、ゆっくりと湯船につかる時間を作ってみましょう。

3. 自然の中で呼吸をする

 人間はうつうつとしてくると、ついつい自閉的になって家に閉じこもりがちになります。

 そんなときこそ、誰かに会うのではなく、自然の中で深呼吸をすることも心のリフレッシュには最適です。
 日常では車や電車で通り過ぎるだけの公園を散歩したり、森や海辺に出かけて自然の風や空気を感じることで、心が解放され、気分が軽くなることがあります。

 さまざまな研究でも、自然との触れ合いが心の疲れを癒す大きな助けになるとされています。
 忙しい日常を忘れて、緑の中でゆったりとした時間を過ごしてみてください。

4. 「ちょっと贅沢」をしてみる

 自分を甘やかす方法として、「ちょっと贅沢」を取り入れることも効果的です。
 日常から少しだけ離れることもリフレッシュには大切ですので、たとえば、普段は行かないおしゃれなカフェでコーヒーを飲んだり、ちょっと高めのスイーツを買ってみる、気に入っていた服を思い切って買うなど、小さな贅沢を楽しむことで、心に余裕が生まれます。

 日常にストレスを感じたときには「小さなご褒美」を与えることが、心の回復力を高めるのに役立つともいわれます。
 ツラいときこそ、少し贅沢して日常にない刺激を自分に与えて、自分を喜ばせてみてください。

5. 「好きなことに没頭する時間」を作る

「趣味・好きなこと」がある人はもっと簡単です。
「好きなことに夢中になる時間」は、精神的なリフレッシュには欠かせないもの。

 趣味に没頭することで、日常から気持ちが離れてストレスや不安を一時的に忘れ、心を日常から離すことができます。

 例えば、読書や映画鑑賞、絵を描いたり、手作りのクラフトを楽しむなど、自分の好きなことに集中する時間を作りましょう。

「趣味・好きなこと」がまだ見つかっていないという人は、逆にこれから心をもっと開放できるチャンスかもしれません。
 今までやったことのないことにチャレンジしてみるのも、そのままリフレッシュにつながることでしょう。

6. デジタルデトックス

 これ、意外と大切です。ツラいとき、ヒマなときって、ついついベッドでスマホをいじってしまいませんか?
 SNSやニュースを見て、さらに気分が落ち込んでしまうことも。

 ネットは簡単に私たちの欲求を満たしてくれる便利な道具ですが、ついつい「日常」を思い出させ、リフレッシュする時間を奪ってしまうものです。

 普段からスマホをいつも触っている人ほど、いっそのことデジタルデトックスしてみて、リラックスできる音楽を聴いたり、新しいことにチャレンジしたり、電子機器ではなく本を読んだりして心を落ち着かせることで、生活の質も上がります。

 スマホを触りすぎて寝不足な人も、ときにはスマホから解放されて、ぐっすり眠ることで、次の日の気分がグッと良くなること間違いなしです。

「自分を甘やかす」というと、なんとなく罪悪感を感じてしまうものですよね。

 でも、そんな頑張り屋な人こそ、意識的に自分をしっかりと甘やかしてあげる時間を取ることがとても大切です

 頑張りすぎてしまうと、心も体も疲れ切ってしまいます。全部でなくともよいので、日常の中にリフレッシュの方法を取り入れて、無理をせず、ゆっくりと心を回復させてくださいね。

 自分に優しく、そして甘やかしてあげることで、次に進む力が湧いてくるはずです。

(本稿は、頭んなか「メンヘラなとき」があります。の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)

精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。